誰よりも




プシュー

「……よし。」



「や、殺った……?」

「おお。もう大丈夫だ。」

もうゴキブリは倒れて動いていない。まあ大丈夫だろう。

「ほ」


ほ?


「他の、虫も……」


うっとおしいな。

「チッ わかったよ。……………ってか、前から思ってたが、お前、デカイよな。何cmあるんだ?」


「ん。身長?」


「おお。」


「192だよ?」


「デカッ……!」


「早瀬は??小さいよね〜150ぐ……」


そう言いかけたところで、あたしが野川を睨みつける。そのところで、言葉が止まる。こいつは目で伝わるタイプだな。


「チッ……」


「こら〜女の子が舌打ちしちゃダメだよ?野川さんみたいにモテないよ?たまには野川さんを見習って……」



「……うぜぇ。」


「ごめん。」



「じゃ、あたし戻るから。」

「え、あ、うん……」


…………?

これが、あの時のあたしにはわからなかった。