入学式。


今は、入学式だ。なぜか、皆か視線を感

じる。


あたし、 『早瀬恵』は、小さい頃から

よく避けられる。

____なんなんだ。中学の時もそうだ。教

室に入った途端、全員に避けられ、道を

開けられる。あたしなんにもしてないぞ

?なんで避ける。それで遠くの高校に幼

馴染と来たのに。あたしが目つき悪いの

がいけないのか。外見で判断するのは悪

いと思うが、あたしの場合、中身も暴力

的だ。どうせ話してもすぐに逃げられる

だろう。期待して落ちるより、最初から

避けられる方がましだ。



「めぐちゃーん、」


不意に、幼馴染から声がかかる。

「なに」

「あのさ、あのさ、この学校、すっごくイケメンな子がいるんだって!!楽しみだねっ!!」

「あたしには関係ない。理恵がいればそれでいい。」

「も〜それ計算で言ってるの??」

あたしの幼馴染、『横江 理恵』は、あか

るい性格で、少しおしとやかな性格。あ

たしとは正反対だ。

「……クラス、一緒になれたらいいな。」

あたしは理恵に言う。


「うん。一緒のクラスになりたいな。めぐちゃんと。」


「おぉ。」





そしてクラス発表は。


あたしは、F組。この学校は、頭のいい

順にクラス替えするらしい。F組は、1番

端っこ。つまり、1番頭の悪いクラス。

最悪だ。それで、この高校は寮らしい。

しかも、その寮は1つしかないため、男

女一緒なそうだ。



「早瀬っ!!」


誰だ。ここは廊下。理恵以外ではなしかけてくる筈がない。というか、理恵は何組だ?頭いいから……

やっぱりA組だ。1番離れてる。


「早瀬!!聞いてる??」


さっきから誰なんだ。しつこい。


「あ?誰だよ。お前。」


ぶっきらぼうに返事をする。まぁ、それでいいだろう。面倒臭い。


「ちょっと。初対面でそんな。」

「うるせぇ。名前は。」


「えー?知らないの??この学校ですごく有名なのに??」


「しらねぇよ。誰だ。」


「俺は、野川康介だよ☆よろしく☆」

その、野川とか言ったこいつは、身長約190cmはあるんじゃないかってくらいデカかった。身長149のあたしにはすごく身長差がある。


「あたしになんの用だ。」


「いやぁ〜?あのね、俺、小さい時からすっごくモテるんだよ。」


「うぜぇ。自慢か。」

「まぁまぁ、続き聞いて?」

「……………」

「それで、すっごくモテるから、告白とかいっぱいされてたの。」


「うぜぇよ。クズ川。」


「ねぇ、初対面でクズ川はやめて。」


「うるせぇよ。お前だって初対面でいきなり自慢かよ。」


「まぁまぁ、」


なんなんだ。こいつ。いきなり自慢話か??おかしいんじゃないのか。

「それでもね、俺は人に興味もたなかったの。」

なんなんだ。しつこい。

「でも!!今、早瀬に興味を持っている!!」


「………それがどうした。」

「え〜鈍感だなぁ〜」


「なにがだ。」


「だから、俺は、早瀬が好きだから、付き合って、ってこと!!」


「うるせぇ。きもい。どけ。クソ川ボゲ。」

「暴力発言っ!!」

「なんで、初対面で興味持つんだ?普通は、徐々に興味を持ってくるだろ。軽い気持ちでだったらお断りだ。」


「ちぇっ!でも、早瀬って、美人さんだよ??」

「あ?なに言ってんだ。お前も(顔は)かっこいいだろ。」


すると、野川の顔が一気に赤に染まる。なんだ?どうしたんだ。風邪か??でも、いきなり引くもんじゃないか?


「おい、どうした。顔真っ赤だぞ?」


「え!?ウソ!?でも、野川さんはイケメンだからね〜」

自分の事を野川さんって言うか?普通。

「でも、早瀬は冷めてるなぁ〜、せっかく褒めてあげてるのに。」


「お世辞では喜こばねぇよ。」

「お世辞じゃないよ。」


「……あたしはお前に興味ない。邪魔だよ。」


「は」


は……?

「は、初めて女の子言葉使った……!!」



……………………



「………なっ!なんだとっ!?あたしも女子言葉ぐらい喋る!!あたしは男子かボゲェッ!!ドMか!」


「ちぇっ!ちょっとぐらい女の子らしくしろy………ぐぇっ!」


あ、あまりにムカつき過ぎたから蹴ってしまった。普通、1蹴りぐらいで倒れるか……?

あの野川は地面に倒れて唸っている。

ま、チャンスだ。逃げよう。


そして早歩きで教室へ向かった。