そして五分後…



「電話、終わりました。」

「遅い、俺を待たせるな。それよりばばぁは?なんていった?」

「了承した、と。」

まあ、答えてもらわなくても分かったが。

「それより、俺をまたせた罰だ。」

「はっ。如何なるものでもお受けいたします。」

「猫耳と尻尾つけて今日は語尾に『にゃぁ』ってつけて話せ。」

「了承したいところですがそのようなセット何処に…。」

「あ、それなら持ってる。」

狼緋は何気ない顔で答えた。

「何か悲しくなりますね。」

「いいから早くつけろ。」

「しか…し、こ…れ!着けるのたい…へ…んですっ…!尻尾なんてどうやって付ければ…。」

柊音は後ろを向き、ひたすら猫の尻尾(本物ではない)をむにむにして付けようとする。

そこに狼緋が近づき呆れたように

「だから、これはこう…すんだよ…!。」

グッグッ!

狼緋は柊音の尻元にグイグイ付けている。

なんとまあ、傍からみたら一国の王子はただの変態にしか見えないが。

グッ!

その時だった。

「………っ!」

ビクッと柊音が震えた。

それに気づいた狼緋が

「!?なんだ?どうした。」

少々驚いた顔で柊音をみた。

「いっ…いえ、私も良くわからなく…。」

「まあどうでもいいや、それよりにゃあ、は?」

にやっと狼緋が笑う。

「恥ずかしいです…にっ…にゃ…あ…っ?」

顔を真っ赤に熟れさせ狼緋を直視できずに目を泳がせている。

「こっち…見ろ。」

ぐいっと柊音の顔を狼緋の方に向けられた。

柊音は少しうっ!とうなって

「めいれいですか…?にゃあ。」

「あぁ、命令だ。」

柊音は目を泳がせながらも狼緋を見た。

「っ…」

目が合った。

狼緋は笑っていた。とても、楽しそうな笑い方だった。

「見ないでください…にゃあ。」

「それで飯作って来い。命令!」

「かしこまりました … にゃあ。」

なんか凄くガーンという文字が柊音の頭に見えた。