どれほどの時間をこうして過ごしていたのだろう。 実際はまだ10分しか経っていないのかな。 それでも驚くほど長い時間に感じた。 私は屋上のはしごを登った上にいた。 寝そべって目をつむる。 こうしていると何もかも忘れた気分になれた。 風の匂いをかいでいると急に違う匂いがした。 私の好きなシトラスの匂い。 「見つけたよ、高橋さん。」