予鈴とともに先生がやってくる。 「きりーつ、きおつけー、れーー。」 おはようございます。 と全員の声が重なる。 山下先生の喋り方はなんとなくいつも眠そうだ。 ひとりひとり出席をとっているときだった。 「大矢涼介君。」 はい。 小さな声がする。 大矢君自身も少し小さめでメガネをかけていた。 かっこよくはない。 かっこよくはないけどなんとなく目に止まってしまった。