緊張感の漂う朝食の席。



この殺気を生み出している本人はトーストにたっぷりとブルーベリージャムをぬって頬張っているところだ。




「さおりちゃん、ベーコンもう一枚いかが?」



さすがの竜ママも伺い気味だ。



「お母さん、もう結構です。素敵な朝食ご馳走様でした。」



さわやかな笑顔でそういうさおりだが何か黒いものがダダ漏れしている。




「じゃぁ、私はお先に失礼しますね。」



颯爽と自分の食器を重ねて台所に持っていき家を出ていってしまった。




「あんた、何したのよ。」




母親がやや驚いた顔で竜のほうをみる。



竜は黙って朝食を駆け込んだ。