いろいろあった一学期も矢のようにすぎさってもう夏休みだった。



例の"強姦事件"の犯人はすぐに捕まった。



その頃にようやく母も帰ってきた。


裁判にするかしないかとなったときに母は迷わずしないという選択肢を選んだ。


ずっとそばにいて関わってる暇などないと宣言したのだろう。





「さおりちゃーーーん。俺はてっきり君も楽しんでるものだとおもってたよーーー。さおりちゃんがいなくなるなんてさみしいなーー。」



舌で唇をなめながらいやらしい笑みを浮かべる。


本当にこの男の人生めっちゃくちゃにしてやりたいと思ったが母は違うらしい。



さおりに近づかないという誓約書にサインをして禁固刑五年で終わった。



あとでそいつの両親らしき人から何回も謝られた。


でも私はそいつらの顔さえもみたくなかった。