躊躇いのキス

 
新しい恋はしたい。
けど、また雄介と同じようなことを繰り返してしまうんじゃないかって思うと怖くなる。


忘れたつもりでも、まだ自分の中の雅兄が消えていない気がして……。



「ま。とりあえず保留にしておこっか。
 相手には、振られたばっかで、まだ次を考える余裕はないみたい、って伝えておくから」

「……うん…」

「だから気になったら、また言って。
 その時、向こうにもまだ彼女がいなかったら紹介するから」

「ありがとう」


あたしに気を遣って、そう対応してくれる智世が嬉しかった。