「なっ……」

「んな、すっぴんスウェット女に言われたってなんとも思わねぇっつーの。
 女の子どころか、妹としても嫌だ」

「ひどっ……」


心の底から傷つく。

そりゃ、確かにあたしの格好は今、
とんでもなく干物女だけどっ……。



「俺は今、CAという綺麗な彼女がいるんで悪いな」


「……雅兄のバカッ!!!」



最後に決定的な言葉を言われ、
あたしは近くにあったクッションを雅兄に投げつけて、部屋を出て行った。



悔しい……
最低最悪っ……。


妹にしか見られてないのは分かっていたけど
あんな言い方ないじゃん!!



(俺は今、CAという綺麗な彼女がいるんで悪いな)



「どうせあたしは、綺麗なんかじゃないですよ!!」



あたしの叫び声は、夜の闇へと消えて行った。