「こちらはいかがでしょうか」
出したものは、いたってシンプルな、ダイヤモンドだけのネックレス。
そして空洞になっているハートに、小さなダイヤが3つ散りばめられているもの。
最後はクロスのダイヤなしのネックレスだった。
「ふーん……」
それをまじまじと見つめる雅兄。
その間も、笑顔を絶やさないよう微笑み続け、雅兄の反応を待った。
「……彼女さん、ですか?」
「そう」
分かり切っていたのに、
本当に当たり前のように答えた言葉。
胸がえぐられるように痛くて
笑顔が凍り付いてしまう。
雅兄に、彼女がいるなんて当たり前で……
あたしが知っている間でも、彼女がいないときがないほどだった。
そんなこと、分かっていたのに……
なんでこんなにも
苦しいんだろう……。

