「オススメのネックレスとかってある?」
「え……っと……
具体的に、どういったイメージでお探しですか」
「とくに。
でもシンプルな感じかなー。
あまり派手ではなく、上品の」
「……」
それを聞いて、ざわざわと胸騒ぎがしてきていた。
ちょうどそのとき、店内の電話が鳴って、店長が奥へと姿を消す。
必然的に、店内にはあたしと雅兄の二人だけとなった。
「……贈り物ですか?」
「そー。誕生日みたいだから」
ほんの少しだけ上ずった質問に、普通に返してくる雅兄。
やばい……
なんか胸が……痛い……。
意味の分からない胸の痛みに、勝手に湧き上がって来そうな涙。
それを必死に堪えて
雅兄が求めるお勧めのネックレスを数点、ショーケースから取り出した。