今までのムードはいったいどこへ……。
雅兄は、わざとらしくあたしの腰に手を添え
下からにやりと小悪魔な微笑を浮かべている。
確かに……
エロい。
雅兄の上に、馬乗りになっているあたしは
出勤帰りだったから、もちろんスカートのままで……。
「やべー。
侑那相手にムラムラしてきた」
「……っこんの変態っ!!」
パァン!と部屋に平手打ちの音が響き、
その変態をさっさと部屋から追い出した。
雅兄は、いつからか女たらしになって
いつも違う女の子を隣にはべらせる男になり……
あたしの気持ちも、そんなときから冷め始めていった。

