「その子にズバッと言われたんだよ。
十分本気で好きなんじゃないか、って……幼馴染の女の子のことを。
んで、最初はいろいろ否定してたけど、追求された結果思い当たる節がいろいろありすぎて……
認めたときの言葉がそれ」
「う、そ……」
「嘘じゃねぇって。
あ、それとその飲み、べつにその子と二人で飲みに行ったわけじゃないから。
もう一人いるし、それにその子と万が一にでも何かあったら……俺、確実に殺されるから」
「……」
軽く話しているように聞こえるけど、
その話し方は決して嘘を言っているようには見えなくて……。
「っつか、今度その二人にも会わせてやるよ。
それで誤解も解けるでしょ?」
「……」
ここで、「うん」なんて言葉は、やっぱり素直に頷けない。
だってあたしには、まだまだ言ってやりたいことがたくさんあるから……。
「何?まだ何かあるの?」
察したように、雅兄があたしの顔を覗き込んできた。
その顔は、少し微笑んでいるけど
これ以上ないってくらい優しい顔をしていたから、
せっかく引っ込んでいた涙が、再びじわりと浮かび上がってきた。

