「………え…?」


あまりにも信じがたいその台詞に
間抜けな声だけが一言漏れて、あたしはただじっと雅兄の顔を見つめていた。


その表情がくしゃっと歪み、ため息が漏れる。


「返事。
 してくれないと、俺がバカみたいなんだけど」

「え……。で、でも……」


涙すらも出てこないくらい、現実味が湧かなくて
ただただうろたえた。


「早く、YESかはい、か言って」

「あ、えっと………って、どっちも同じじゃんっ!」


雅兄の相変わらずな冗談な言い回しに、ようやく頭が回転し始めて突っ込みを入れられた。

雅兄も面白そうに頬を緩めている。



YESも、はいも早く言いたい。

けど……
やっぱり気になるのは……



「………か、のじょは……?」



この間見た、雅兄と一緒に飲んでいた綺麗な彼女の姿で……。


あの告白も
確かにこの耳で聞いた。