「ありがとうございました」


紙袋を片手に、
嬉しそうな顔をした女性客に一礼をした。


今は月末。
給料日がきたということもあって、それなりにジュエリーも売れる。

だけどバレンタイン前の1月の月末だけあって、
いつもの売れ行きよりはいかないけど……。


「侑那ちゃーん」
「はい?」


店内にお客さんが誰もいないことから、
先輩である理恵子先輩が声をかけてきた。


「今日このあと空いてる?
 飲みにでも行かない?」

「はい、大丈夫ですよー。
 行きましょう行きましょう!」


理恵子先輩とは、たまにこうやって飲みに行くことがある。

とはいえ、今年になってから、まだ一回も飲みに行っていなかったので、久々の誘いに快く承諾した。