躊躇いのキス

 
くすぐったかったこととか一気に忘れ、
驚いて雅兄の顔を見上げる。


目の前のスクリーンは、キス以上の濃厚なラブシーンが続いていて……


それが余計に、
ドキドキを強まらせていく。



「……まさ……と……」



本当に小さな声で
映画の音にかき消されるほどかすれた声で


生まれて初めて
雅兄のことを呼び捨てで呼んだ。


雅兄にはその声が聞こえていて、
そう呼ばれたことに、一瞬目を丸く見開いている。


だけどそれはすぐに微笑みへと変わり……



「……っ…」



あたしの唇へ
映画のような、深いキスを落とした。