雅兄の腕は、あたしの肩にまわされたままで、
そのまま映画は始まった。
やばい。
緊張して、ちゃんと観れる自信ないんだけど……。
雅兄はやっぱり余裕そうで、
逆側の手にはコーラを持って、悠々と飲んでいる。
おかげで、あたしが頼んだアイスコーヒーは手つかずだ。
だけど映画が盛り上がっていくにつれて、
緊張も少しずつ解けて、映画に集中していった。
映画は、男女が一緒になって、悪の組織と闘うアクション交じりの映画で、
途中体がビクッとなりながら、気づけば必死になって観ていた。
だけど洋画にはつきものの
ラブシーンがはいってきて……
「……」
途端に、現実に戻されるように映画への集中力が切れた。
これが友達と見ていたり、
せめてカップルシートとかではなければ、普通に見れていたかもしれない。
だけど自分の半身に感じる雅兄の体に意識が集中して、
いっきにまた、心拍数が上がった。

