運転している雅兄は、正直カッコいい。
というか、見れば見るほどカッコいいと思う。
やっぱり生徒さんからの人気なんだろうなぁ……。
「何?」
「え?」
「じっと見てるから」
「……いや、なんでも…」
見ていることに気づかれていたとは知らず、慌てて顔を前に向けた。
まさか見惚れていたなんて……
「見惚れてたんだ?」
「……」
言わなくても、バレバレだったらしい。
「お前、本当に俺のことが好きなんだな」
「わ、悪いっ……?!」
「いや?」
雅兄の一言一言で焦ってしまうあたしとは反対に、雅兄は余裕な顔をしていて、
なんだかやっぱり悔しさが巻き上がる。
「あたしばっかり、好きでズルイ……」
「事実だろ」
それを言われたら、言い返しようがない。

