「あ……」
「はよ」


朝、家を出ると、
ベストタイミングで雅兄も家を出てきた。

顔を見た瞬間、昨日の出来事が思い浮かんで
つい顔がカッと熱くなってしまう。


「……顔に出過ぎ」
「…っ」


だけど雅兄はいたって普通で、少し呆れ気味にあたしを一瞥すると
さっさと車が停めてあるガレージへと向かってしまった。


「ちょちょっ……」
「何?」

「何って……。
 あの……送ってくれるとか……ないの?

 一応ほら……彼女だし」


自分で言ってて、ちょっと照れる。

昨日まではただの幼馴染。
だけど今日からは恋人。


「仮だけどな」

「……」


それを言われては何も言い返せない。