しばらく無言でお茶を楽しんでいると、沈黙に堪えかねたのか、ジーニアスが口をひらいた。
「なあ、その文献。探していたものでも書いてあるのか?」
「…どうでしょう。少し触れているところはありますが、探していたものとは違う気がします」
「そっか」
ティアの言葉にジーニアスはホッとしていた。
ティアが読んでいる文献には、人の感情を操り思い通りにするといった類いの薬が載せられている。
古代薬は今は造られてはいないが、惚れ薬やある一定の条件が必要な眠り薬などの人の感情を思いのままに振り回すような薬ばかりだ。
「どんな薬を作りたいんだ?」
薬のことなら自分で調べるより調合師に聞いたほうが早いはずだ。
いくら本を読んだとしても、作れなければ意味がない。
それに調合の知識や道具がティアにあるとは思えなくてジーニアスは尋ねた。

