「まぁ、全部が古代薬の文献ってわけじゃないよ。調合の本からこの屋敷に住んでいた人たちの日記まで置いてあるからな」
言いながらジーニアスは本棚からいくつか本を抜き取り、机に積み上げていく。
そしてその中から一冊をティアに差し出した。
硬い厚紙を表紙に紙の束が麻ひもで綴られている。
「はい、これがあの文献」
「…ありがとう、ございます」
ティアは震える手でそれを受け取った。
「それ以外の古代薬の文献はここにあるから」
ジーニアスは机に積み上げられた本をポンと軽くたたいた。
「じゃ、ゆっくり読んで」
ジーニアスはティアを椅子に座らせると、自分も本を読みはじめた。