ティアはジーニアスを振り返り、ふふっと笑った。



「しばらくはここに来られそうもないですけどね。でも今日はありがとうございます」



明日からも仕事がある。


文献の購入費に大半のお金を使う予定である今、明日から仕事をしないと生活ができなくなる。


遊べるのは今日だけだ。



(また来よう)



ティアは肩越しに本屋を振り返る。



「ホントに古代薬に興味あるんだな…」



それはそうか、とジーニアスはティアに聞こえないぐらいの声でぽそりとつぶやくと、ティアの肩をがしっとつかみ、顔を自分のほうへ向けさせた。