「まぁ…いいです。すぐに売れてしまうものでもなさそうですし…」



振り回されたものの、楽しんでいる自分がいたので、ティアも強くは言えない。


ティアの手にはワッフル、ラスクなどのお菓子が入った袋が抱えられている。


ティアが眺めていたら、いつの間にかジーニアスが買ってきてくれていたのだ。


ティアは甘いものが好きだったが、生活を切り詰めているため、食べることはほとんどない。


甘いものなんて、仕事が終わったあとのご褒美として少し買うぐらいだ。


「お礼だから。甘いもの好きだろ?」と言われてしまっては受け取らないわけにはいかない。


食べ物以外にも、色とりどりの服に靴、アクセサリーに目を奪われてすぐに切り上げなかった自分もいけなかったのだ。



ーでも、楽しかった。



文献は読めなかったが、別に後悔はない。