「ジェンティアナさま。お待ちしておりました」 町に行く、と聞かされて支度したティアを待っていたのは馬車だった。 質素なものではなく、貴族が乗るようなものだ。 町娘の格好をしたティアにはいささか合わないが、城から出る以上これより下の馬車は用意するわけにもいかないらしい。 ティアは勧められるまま馬車に乗り込んだ。 座ると同時に馬車は動き出し、まわりの景色がゆっくりと流れていく。 どこへ向かっているのかわからない。 行き先を聞いても答えてくれるとは思えなかった。