外に出ても、どこまで行けるかわからない。
ジークは貴族で、そう簡単に会えないだろうことはわかっている。
ーそれでも。
叔父はティアが逃げたと知れば、やっきになって探すだろう。
でも、このままだとジークに会うことは絶望的だ。
ーだからこそ。
先ほど叔父はティアが逃げないように牽制していった。
でも、それに従う理由はもはやない。
叔父はティアを商品として売った時点でティアとのつながりを断ったのだ。
ー必ずここから出てみせる。
ティアはゆっくりと目を開いた。
その瞳は先ほどの虚ろな目ではない。
ー逃げて、生き延びてみせる。
決意の光がその瞳に宿っていた。

