その後ろ姿が扉の向こうに消えるのを待ってから、ティアは引き出しの奥から赤いスカーフをとり出した。 しなやかな生地が手に心地良い。 ティアが持っていた服や小物など、叔父の目についたお金になりそうなものはここに来たときに取り上げられていた。 唯一、叔父の目から隠しとおせたのはこれだけだ。 ティアはギュッとスカーフを胸に抱きしめ、瞳を閉じる。 ージークに会いたい。だから。 ーここから逃げよう。