「もちろんだ」
「では、彼女が婚約者であるなら、証拠をお見せください」
ゲオルグはティアの反応から証がないことに気づいたらしく、ジーニアスに証を見せるよう迫る。
「わかった」
ジーニアスは内ポケットを探り、そこから紫のステッチが施された藤色のリボンを取り出した。
古くはなっていたが見覚えのあるリボンにティアは驚きを隠せない。
その端にはティアが渡したときにはなかったはずの刺繍が施されている。
自分のものだと言わなくても、そこに施された伯爵家の紋章がティアものであることを主張していた。
ジーニアスの手にあるのは、7年前に再会の約束をした際にティアがジークに渡したものだった。
「まさか…ジーク、なの…?」
ティアが問うとジーニアスは「そうだ」と柔らかな笑みを浮かべてティアを見た。

