「逃げるなんて選択肢はないからな」 ーわかっている。 念押ししなくてもゲオルグとの結婚は逃れられるものではない。 ゲオルグがこんなに言うのはティアが一度逃げてしまっているからかもしれない。 逃げられないことは最初からわかっている。 ゲオルグをはねつけていたのはティアの最後の抵抗だ。 せめて結婚まではいいように扱われたくなかった。 ーだけど、それも終わり。 (明日、私はゲオルグのものになる) ティアは目の前にある真っ白なドレスを手に取り、現実に向き合った。