「…それにしても細い腰だな。このまま引き寄せると折れてしまいそうだな…」
ティアは奥歯を噛み締めた。
「…っ、それ以上何かするなら」
「どうすると言うんだ…?」
ゲオルグは少し上体を起こし、組みしいているティアに視線を向けた。
ティアは燃えるような瞳でゲオルグを睨み付ける。
「それ以上何かするなら、舌を噛みきります!!」
言い切ったとたん、ピタリとゲオルグの動きが止まった。
「…生きていなければ意味がないな」
ゲオルグは一瞬眉を寄せて困ったような笑みをうかべると、ティアを押さえつけていた手を離した。
「用は済んだ」
ゲオルグはベッドから降りると扉に足を向けた。
「約束通りあの男に手出しはしない。だが…ジェンティアナ。君が死のうとするならあの男の命が危うくなることも忘れるな」
そう言い残し、ゲオルグは部屋から出ていった。