ゲオルグはティアを真っ直ぐに見据え、ティアはその視線に射ぬかれて体が動かない。
「確認しにきた」
ー確認?
いったい何の、と考えるよりも早くゲオルグがティアの手を引き乱暴に抱き寄せる。
シュルッ、という紐を引くような音が聞こえたと同時に首筋にゲオルグの吐息を感じてティアの背中にぞくりと寒気が走った。
所有者の印を付けられた日の記憶が一気によみがえる。
狂おしく切なげな瞳。
熱い腕。
押し当てられた唇。
しかし、それはジーニアスのものではない。
好きな人のものではないだけでそれはおぞましく、恐怖すら感じた。