次の日の朝。
ジーニアスはティアの部屋の前にいた。
帰ってきた様子はなかったが、もしかしたら行き違いで帰ってきているかもしれないと思ったからだ。
ノックをしようとしたとき、
「おや?早いね、お客さん。何してるんだい?」
通りかかった宿の女将に声をかけられた。
女将はジーニアスの行動がよくわからない、というように首を傾げている。
「あ…、いや、この部屋に泊まっている連れに用があって」
「連れ?何言ってんだい、この部屋には誰も泊まっちゃいないよ」
「え?そんなはずは…昨日部屋をお借りした女の子がいたはずですよね?」
「女の子…?」
女将はしばらく宙をみて考えたあと、ああ、と思い出したようにジーニアスに向き直った。

