スカーフを持っているということは、あの約束はまだ健在なのだろうか。 『王都で会おう』 確かにそう約束した。 ーもしかして。 あの時、あんなに必死に舞踏会に行きたいと訴えてきたのはジークに会うためだったのだろうか。 ジーニアスはなんでもないふりをしていたものの、内心動揺していた。 ティアはそんなジーニアスに気づく様子もなく、店の立ち並ぶ通りを目指して歩いていく。