ー今、この男はなんと言った? ティアは自分の耳を疑った。 『消してしまおうか。…お前の両親のように』 確かにそう聞こえた。 ーそんな、まさか。 ティアの脳裏に両親が帰ってこなかったときのことが思い出される。 両親は王都に帰る途中で盗賊に襲われたのだと聞いていた。 ー確かあれは運が悪かっただけの出来事だったはず。 自分の顔から血の気が失せ、唇は震えだしているのをティアは感じていた。