ティアの背が壁に当たったのとゲオルグが両手をティアの顔の横についたのは同時ぐらいだった。
壁とゲオルグの間に閉じ込めるようにされて、逃げ場がないことを知ったティアは顔を逸らしてせめてもの抵抗をする。
「なぜ逃げる。あんなオッサンに嫁ぐのを阻止してやったのだから感謝してほしいくらいだがなぁ。まあ、なんと言おうとお前の結婚相手はこの僕だからな。もういい加減逃げるのはやめろ」
ー嫌だ。
ー結婚なんてしたくない。
好きな人に想いを伝えることがかなわないのはわかっている。
ーそれでも。
自分の気持ちを押し殺して別の人と結婚なんてしたくない。
(…ジーニアス…っ!!)
震える腕をギュッとつかむとティアはうつむいて唇を噛みしめた。

