ティアは素早く辺りを見回し、出られるところを探す。


扉はティアから向かって左奥にあったが、そこには剣に軽く手を置いたチューリップハットの男が威圧感を放って立っており、ティアが逃げないよう牽制している。


窓は小太りの男の向こう側にあるが、木でできた格子状の窓枠は古く、立て付けが悪そうにみえる。


ガラスを割って外に出ようにも、木枠が邪魔をして出られそうにない。



(ここはおとなしく相手の出方をみた方がいいのかもしれない)



ティアは床の上に置いた手をぎゅっと握りしめた。