「いい大人がこんな子供が恐いなんて…ふふっ、おかしくて笑えますね」
ティアはさらに挑発するように止めの一言を発する。
「…こんなこと、自信のない腰抜けのすることです」
言い終わるや否や、ダンッという鈍い音とともに背中に痛みが走った。
「…ーっ!!」
「小娘が…お前の考えていることなどお見通しなんだよ」
地を這うような低い声とともに喉元にあたるヒヤリと冷たい感覚。
さらに壁に押し付けるように口を手で塞がれ、身動きすることも、話すこともできない。
男はティアの耳元に口を近づけると喉を鳴らし、楽しそうに囁いた。
「おおかた、怒鳴り声を上げさせて人に気づかせようって魂胆だろうが…残念だったな。その手には乗らない」
(気づかれてたのね…)
ティアは黙って男を睨み付けた。

