しかし、ティアの耳に届いたのは思いもよらないことだった。



「…ティア、オレと専属契約をしないか?」



「…え?」



「オレ専属の採取人になってほしいんだ」



ー専属の採取人。



採取人なら誰もがなりたい貴族との専属契約。



ーそれも、ジーニアスの。



それはつまりー



(ジーニアスとこれからも一緒にいられる…!)



ティアの心が喜びと安堵に包まれていく。



「返事は今すぐでなくていい。考える時間も必要だと思うから」



考えなくても答えは決まっている。



ーここに、ジーニアスの側にいたい。



ー自分の居場所にしたい。



願ってもない提案に感動して、うまく言葉が見つからなかったティアはコクリとうなづくことしかできなかった。