「…ごめん」
ティアの頬に触れようとしていたぐっと手を握りしめ、何かを耐えるように苦しく発する言葉とは裏腹にその瞳は切なげに揺れている。
ーそんな顔をしないで。
ー勘違いしてしまいそうになるから。
(あなたも私のことが好きかもしれない、なんて)
そんなこと、あるはずないのに。
ティアはふふっと笑うと顔を隠すように下を向いた。
心が苦しくて今にも涙が浮かび上がりそうになる。
だけど、これを知られるわけにはいかない。
ジーニアスと気まずくはなりたくないし、この関係を壊したくはない。
だったらすることは決まっている。
(思いを切り替えなくちゃ)
ティアは膝においていた手を握りしめるとジーニアスに微笑んだ。

