薬品と恋心


ティアが見ていることに気づいたジーニアスがふとこちらを向いた。


先ほどの鋭い瞳は消え、柔らかい顔を向けてくる。


それを見たティアの鼓動がひとつ大きく跳ねた。


レティシアに向けていた柔らかい微笑みがそこにあったのだ。


嬉しいはずなのに、なぜか心が痛かった。



「どうしたんだ、そんな顔して」



ジーニアスの手がティアの頬にゆっくりと伸びてくる。


安心させるように触れようとして…触れる寸前でハッとしたように手を止めた。