「…ーティア、起きて!ティア!!」


呼びかけられて深いところにあったティアの意識が浮上する。


ぼんやりした視界に入ったのは、見慣れない天井。


首をやや傾けるとそこにいたのは心配そうにこちらをのぞきこんでいるジーニアスがいた。



(…どうしてそんな心配そうな顔…?それにここは…?)



そこまで考えてティアはハッとして勢いよく起き上がった。



ーそうだった。



ーここは城。



ジーニアスのキスの効力が切れ、幼い体に戻ったときの疲労感に勝てずにうっかり眠ってしまっていたらしい。


着ていたドレスがずり下がり、肩が露出して脱げそうになったのに気づいたティアは落ちないように手でそれを押さえた。