薬品と恋心


ティアが覚えているのは12歳のジーク。あれからどう変わり、成長したのかをティアは知らない。


冷静に考えれば、この人がジークだという確証はない。


ティアは視線を足元に落とした。


ドレスの裾がティアの足取りに合わせてふわりと揺れた。



ーでも、もしジークだったら?



(どうすればいいの…?)



会ったら話したいことはたくさんあったはずなのに。


あれだけ会いたくて、話したくてたまらなかったのに、いざそうなるとうまく頭が働かない。


今にも熱が出て倒れてしまいそうになる。



ーでもまず確かめなくてはならないことがある。


ー焦るのも、慌てるのもそれからだ。