「舞踏会には必ず行かせようと思う。だから安心して。今度こそ王都に帰るから…っていうか、帰らざるを得ないから」



あの子を舞踏会に参加させ、想い人を探させる。


ーそれがジーニアスの下した決断ならば、もう何も言うことはない。



「…わかったわ」



レティシアは踵を返して調合室を出ていった。


その手には文書の最後のページが握られたままだった。