薬品と恋心


ーしかし、楽しい日々は長くは続かない。


王都に帰ることになったティアは、ジークに最後のあいさつをしようと、いつもの庭に来ていた。


今日帰ることはあらかじめジークに伝えてある。でも、会えるかどうかはわからない。


いつも勉強時間を抜け出してティアに会いに来ていたため、最近監視が厳しくなり、会えない日が多くなっていた。


刻々と時間は過ぎていき、もうそろそろ限界だ。



(もう会えないのかな…最後くらい顔が見たかったのに)



あきらめて門のほうへと足を向けたとき、後ろから声が聞こえた。


「ティア!」


この声は…ジークだ。


ティアは勢いよく振り向いた。