舞踏会に行くと決めてからの日々は慌ただしく過ぎていった。 王都に行く日が徐々に近づくにつれ、ティアは浮き足立っていた。 王都キングスフォレスト。 帰るのはいつぶりだろう。 帰っても貴族との交流など持てるはずもなかったティアは叔父のもとから逃げ出したあとも王都に帰ることはなかったのだ。 ジークに会う可能性が低いのなら、まずは自分が飲んでしまった薬の解除薬を探そうと思ったからだった。