屋敷に帰りつくと、玄関ホールにレティシアがいた。 「追いついたみたいね」 レティシアはふふっと艶やかに笑うと、ジーニアスにちかづき、その頬に指をすべらせる。 「あらあら、こんなにキズだらけになっちゃって。いい男が台無しよ?」 ジーニアスはレティシアの手をどけると、自室に向かって歩きだした。 「ちょっとお待ちなさいな」 レティシアはジーニアスに追いつくと、隣にならんで歩きだした。