ひとしきり泣いて、ジーニアスの腕のなかで落ち着きを取り戻したティアは、ジーニアスが乗って来たという馬の前にいた。


どうやって乗ればいいのかわからず、戸惑っていると、ジーニアスがティアの手を取り馬に乗せてくれた。


ティアはジーニアスの胸に背中を預ける格好で馬の背に座った。


背中にジーニアスの温かさを感じ、ティアはジーニアスの胸に頭をもたせかけた。


彼の規則正しい心音に安らぎを感じながらティアは口を開いた。



「ジーニアス」



「ん…なに?」



「私の話、聞いてくれますか?」



「いいよ」



解除薬の材料が全部そろったら言うと決めていた。



ーだから、話そう。



ティアはひとつ深呼吸をしてから話し出した。