カーテンを開けて夕陽を眺めていると、コツン、コツンと歩いてくる音が聞こえてくる。


見なくても誰なのかわかる。



「レティシア」



「あら、わかったのね」



クスッと笑う声が耳に届く。



「今日、あの子に会ったわ」



「ティアに会った?」



ジーニアスはゆっくりと振り向いた。