ガタゴトと音をたてながら、馬車は町へと続く道を進んでいく。


ティアは歩いて帰るつもりだったらしいが、帰りは馬車に乗せた。


歩いて帰ってもギリギリ期日には間に合うのだが、どうせ同じ町に帰るのだからとなかば強引に乗せたのだ。


道があまり良くなく、ときおり大きく揺れたりしているのにもかかわらず、隣に座っている小さな体は目を閉じたまま動かない。



(疲れてるんだな)



ジーニアスは自分の隣で寝息をたてているティアを見下ろした。


大人でもきつい道のりを小さな体でやって来たのだ。


疲れていても無理はない。