切恋 〜涙の君に恋して〜


ケバい化粧。

胸が無駄にデカイから、

胸を強調するような服。

プンプン漂ってくる香水。

全てが嫌い。

どうして、お父さんは、

お母さんと結婚したのだろう。

捨てるぐらいなら、

しなきゃよかったのに。

「ちょっと、聞こえてんの?」

強い口調で、凛恵さんが言う。

「運べばいいんでしょ?」

反抗期なのか、

嫌いだからなのか、

わからないけど、

自分でも驚くくらい低い声が出た。