切恋 〜涙の君に恋して〜


「最期は、あまり、

みんなの負担になりたくないから。

東京にくるのだって

お金と時間がかかる。」

「なんで、君は相手のことばかり

考えるんだ?」

「え…?」

先生の言っている

意味がわからなかった。

「どうして、自分の人生なのに

最後の最後まで相手のことを考える。

君は君だ。

自分のことを優先に生きなさい。」

先生の言葉が重くのしかかる。

私は窓の方を見る。

少し上の方を見て、

車の中に流れる音楽を耳に

静かに涙を流した。